グループブログ GROUP BLOG TOP グループブログ ユマニチュード 【研修レポート】認知症基本法とユマニチュード:人生を肯定する「食」の支援 【研修レポート】認知症基本法とユマニチュード:人生を肯定する「食」の支援 2026.02.26 ユマニチュード 2月24日、法人グループ全体で「ユマニチュードと食支援:その人らしさを支えるケア」をテーマに研修を実施しました。 ■ 「人権の尊重」としての食支援 研修の冒頭では、認知症基本法第3条(基本理念)にある「全ての人が、自らの意思によって日常生活を営む権利」について再確認しました。 私たちはつい、栄養バランスや安全・効率を優先してしまいがちですが、食支援は単なる「栄養補給」ではなく、「人権の尊重」そのものです。食事は単なるカロリー摂取ではなく、喜びであり、記憶であり、その人らしさを表現する「尊厳」であることを学びました。 ■ ワークショップ:「行動の背景」にある物語を読み解く 研修では、「新しい認知症観」に基づいたワークショップを行いました。認知症の方を「何もわからなくなる人」と捉えるのではなく、「歴史と物語を持つ一人の個人」として向き合う姿勢が求められます。 例えば、「なぜ、その人は立って食べるのか?」という問いに対し、参加したスタッフからは以下のような意見が出されました。 腰やお尻が痛くて、座り続けるのが辛いのではないか。長年の習慣で、昔は立って食べていたのかもしれない。じっとしていることに不安感があるのではないか。 これまでは安全や効率を優先し、「座って食べましょう」「早く食べて」「こぼさないで」といった言葉をかけてしまうこともありました。しかし、それは介護する側の都合であり、相手がなぜそうしているのかという「理由と歴史」を深く考えていなかったという気づきが、多くのスタッフから共有されました。 ■ ユマニチュード「4つの柱」とポジティブな実況中継 フランス生まれのケア技法「ユマニチュード」の4つの柱(見る・話す・触れる・立つ)を食事ケアに活かすコツも詳しく学びました。 話す(ポジティブな実況中継): 「〇〇さん、今日は大好きな鮭ですよ。彩りがきれいですね。温かくて美味しそうです」といったように、五感を言葉にして刺激します。これにより、食事の時間を「心地よい体験」として、脳の感情記憶に刻んでいきます。見る・触れる: 正面から同じ高さで目を合わせ「私はあなたの味方です」と伝え、急かさず優しく触れることで安心感を届けます。 ■ 「小さな選択」が呼び覚ます生きる力 また、ケアにおける「意思決定支援」の重要性も再認識しました。「お醤油かけますね」と一方的に決めるのではなく、「ポン酢とお醤油、どちらが良いですか?」と選んでもらうような、小さな選択の積み重ねが、その人の「生きる力」を呼び覚まします。 ■ おわりに:人生を受け入れるケアへ 「食べることを支える」とは、その人の人生を肯定することです。 今回の研修を通じて、普段のケアが「作業」になっていないか、改めて自分たちの姿勢を振り返ることができました。これからも、患者さんや利用者さん一人ひとりの「人生のパートナー」として、尊厳を支えるケアを実践してまいります。 一覧へ戻る